縁あって参加させていただいた木村陽子さんの料理教室。月1回、半年間の教室でした。
陽子さんにとって、お料理をつくるということは「命をつなぐこと」だといいます。
「素材を殺さない切り方」
姿勢を整え、呼吸を整え、ていねいに。野菜に向き合い、スーッスーッと切っていくことで、自分の体調すら整っていくというのです。教えていただいた切り方と乱暴な切り方のニンジンをポリっとかじって食べ比べると、味がまったく異なることに驚きを隠せませんでした。
「味を加えるのではなく、素材のおいしさをを引き出すこと」
教えていただいたのは、料理のレシピではなく、野菜の扱い方、おいしさの引き出し方でした。素材の味を引き出せれば、調味料は塩だけでも十分。家に帰って実践するにつけ、身をもって感じたのでした。
そしてふと気づいたのです。
命をつなぐこと。
素材を生かすこと。
その良さを引き出すこと。
自然の力にしっかり頼ることで全体がどんどん良質のものとなること。
私のめざす建築と全く同じだな、と。
建築で扱う素材はたくさんあります。
木、土、紙、布。
石、鉄、コンクリート。
それに太陽、風、湿気。
そして中では、ヒトが暮らします。
これを機により一層こうしたものに耳を傾けられるようになるといいなと思います。
それにしても楽しかった料理教室。
ありがとうございました。そして、ごちそうさまでした。
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